「扉」(とびら)という謎のような地名が面白い。真理の扉、美の扉というような言葉を連想する。人生の幸福が、扉峠のかなたに深く秘められているかと思うような、人跡に荒らされない山々のふところ、薄川の渓谷に扉温泉はある。松本市の東南四里、1,050m位の高さである。 「春」は目の覚めるような深緑の中に、赤いつつじが素朴な人間のまごころを思わせている。 「夏」になると、美ヶ原や鉢伏登山、避暑静養の客で静かな渓谷がしばしにぎわう。しかし、涼風のここちよき室々には、読書人の来り遊ぶのも少なくはない。 「秋」は満山の紅葉火のように燃えて、ボナールの絵のようにけんらんとはえている。私はまた冬の扉を愛する。読書にあきた炬燵の中で、なにげなく渓流の音に耳をかたむける。 遠くの方で多ぜいの人が、何かささやいているような、また歌っているような錯覚をおこすことがある。私は酒をたしなまないが 「冬」の扉温泉の炬燵の中で、気の合った友達がのみかわす酒の味は、かくべつであろう。扉は、額に汗して働く人々や、その家族のなごやかないこい、たのしいまどいの場所である。 温泉を絃歌のちまたとしか考えない人々には無縁の場所であろう。 (向坂逸郎)
返礼品について
通常、寄附完了後10分以内
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宿のクチコミ
到着が遅くなってしまったにも関わらず親切にご対応頂いて感謝しております。スタッフの方の気持ちの良いご対応、そしてご飯の時も厨房のスタッフの方の挨拶など感動しました。ご飯もとても美味しく、客室露天風呂もしっかり楽しめました。ゆっくり寛ぐことが出来ました。また機会がありましたら是非お伺いしたいお宿です。
仕事で疲労困憊になっていたときに、気分転換にうかがいました。結果からいうと、素晴らしい宿でした。ロケーション、お湯、ホスピタリティ、お料理、すべてが揃ったお宿です。この場所自体が、一つのパワースポットとも言え、力がもらえました。また是非うかがいたいです。雪見風呂が最高でした。
施設サービス
長野県松本市について
長野県松本市は国宝松本城の城下町として栄え、今もなお松本城を中心に中町通りや縄手通り等の古い街並みを残しています。 西には中部山岳国立公園の上高地や乗鞍高原など壮大な日本アルプスが、東には日本で最も広大な高原である美ヶ原高原が広がり、豊かな自然に囲まれています。 春には松本城桜祭りや乗鞍雪の壁、夏は上高地や美ヶ原高原の最盛期、秋は乗鞍高原の美しい紅葉、冬は雪遊びや温泉・松本城イルミネーションなど、年間を通して豊富なコンテンツがあります。